2026/04/07

「インクレチン関連薬」 という糖尿病の治療薬はご存知ですか?
2010年より注射薬として日本でも販売されています
実はヒトの腸には 「インクレチン」というホルモンを分泌する細胞 (K細胞やL細胞)が存在しています
その細胞がインクレチンを分泌するためには短鎖脂肪酸という物質が必要です
短鎖脂肪酸は大腸に生息する微生物がおもに食物繊維を発酵することで生み出す有機酸の一種
つまり、ヒトの腸には糖尿病を治療する薬をつくる細胞があるのです
そして、その細胞にスイッチを入れる鍵を作っているのは、大腸に生息する微生物たち (腸内細菌叢または腸内フローラ)ということになります
それを流れで示すと次のようになります
①摂食した食物繊維が大腸に流入する
②腸内フローラが食物繊維を発酵して短鎖脂肪酸を生成する
③短鎖脂肪酸がL細胞を刺激してインクレチンを分泌する
④ インクレチンがすい臓に働きかけてインスリンの分泌を促す
⑤インスリンによって、食後に増加した血中ブドウ糖が骨格筋・脂肪組織や肝臓に取り込まれ、血糖値が適正にコントロールされる
⑥L 細胞由来のインクレチン (GLP-1)は、脳にも作用して食欲抑制を誘導する(『お腹いっぱい!』は食欲抑制ホルモンが作用している証)
⑦腸内フローラが調和し短鎖脂肪酸が適宜生成されることで血糖値が適正に制御され、ヘモグロビンA1c値の過度な上昇が抑制される
大腸内で生成される短鎖脂肪酸は、腸管上皮細胞等のエネルギー源になるほか、腸管粘膜バリア機能に作用して免疫力を向上させたり、摂取した余剰なエネルギーを処理して肥満を予防するなど、宿主の健康にとって重要な役割を多々有することが示されています
また、短鎖脂肪酸は特定の細菌種ではなく、腸内で調和のとれた細菌叢から生成されることも明らかになっています
したがって、健康長寿をめざすには腸内細菌叢を健全にすること……
ここでいう健全とは、数が多くてなおかつ多様性も高い……が重要なポイントとなることが理解できると思います
想像していただけましたら、嬉しいです
ご興味がある方は、お気軽にご相談ください