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?第十八章【『オートファジー』を利用できる体づくり】

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【『オートファジー』を利用できる体づくり】

 

オートファジーと聞くと、新しいダイエットの一種かな?と勘違い知している人もいるかもしれません

 

実はこの『オートファジー』わたしたちの体の中で非常に重要な役割を持つ働きなのです

 

健康寿命を伸ばす鍵となる『オートファジー』は加齢でも低下します

 

簡単に言うとオートファジーとは、わたしたちの体を形作る『細胞』の機能を維持するための重要な働きです

 

?オートファジーの3つの重要な役割?

 

役割①:『細胞の一部を自分で分解』


”タコがお腹が空くと自分の足を食べてしまう”というお話をご存知でしょうか?

 

細胞も同じく、周りに栄養がなくなってしまうと自分の細胞の一部を分解して栄養にすることができます

 

この役割もオートファジーが担っています

 

役割②:『細胞の新陳代謝』

 

人間は1日平均的に70gのタンパク質を摂取しているのですが、細胞自体もタンパク質を作り出しています


この細胞から作られるタンパク質の量は1日240g

 

そのため、口から摂取するタンパク質だけでは細胞が作り出すための栄養が足りない計算になってしまいます

 

そこで、オートファジーが自分のタンパク質を分解してアミノ酸を作り、毎日部品を新品の状態にしています

 

車を新車の状態で買ったとして10年経つと中古車になってしまい、部品も古くなりますが、もし毎日部品を新品に交換していたら数十日すれば新品の状態に戻ります

 

この部品を常に新しい状態に交換している役割を果たしているのが『オートファジー』です

 

オートファジーは毎日ランダムに数パーセントの成分を壊し、その壊したものを使ってそこからまた新しい部品を作っています

 

古い細胞が死んで、新しい細胞が生まれています

 

例えばタンパク質の場合アミノ酸に分解されるのですが、そのアミノ酸でタンパク質が作られるため、この作り出されたものは新品のタンパク質になります

 

すると、細胞自体も何十日か経過すると生まれたての細胞のようになるわけです

 

つまり、細胞がいつも新車の状態を保っているということ、これが新陳代謝の働きです

 

皮膚は新陳代謝で新しくなっていますので、この皮膚の働きも古い細胞が死んで、新しい細胞が生まれている状態のことを指します

 

ただし、人間の細胞でも神経や心臓の細胞は一生の間入れ替わることはないため、ずっと同じ細胞を使わなければいけないのです

 

そのためそうした細胞の『中身』を入れ替えることが重要なポイントになります

 

この『細胞の中身の入れ替え』がうまくいかなくなると、アルツハイマー病のリスクにつながったりするのです

 

役割③:有害物質の除去

 

そしてオートファジーの重要な役割のひとつとして『有害物質の除去』があります

 

細胞は自動的に入れ替えを行っていますが、細胞の中にはしばしば有害なものも現れます

 

例えばわかりやすいのは、ウイルスやバクテリアなどの細胞の中に入り込んで病気を起こす病原体です

 

また病気の原因になる異常タンパク質は、アルツハイマー病やパーキンソン病を招く物質で、これはアルツハイマー病やパーキンソン病などの脳の病気でよく見られます

 

このような脳の病気はタンパク質の塊ができることで細胞が死んでしまうことにより引き起こされることがわかっています

 

?細胞を壊す活性酸素をオートファジーが除去

 

ほかにも細胞の中には、様々な理由で壊れた細胞小器官が現れます

 

例えると細胞社会の建物のようなもので、壊れてしまうと危険ですね

 

ミトコンドリアという名前を聞いたことがあるかもしれませんが、これは細胞内小器官のことで、細胞社会では発電所の役割を担っています

 

しかし、この発電所が壊れてしまうと大変なことになるように、細胞の中でもこのミトコンドリアが壊れると『活性酸素』と呼ばれる物質が漏れ出して、細胞を傷つけたり、殺してしまったりするのです

 

このように活性酸素は非常に毒性の高い物質なのですが、ここで『オートファジー』が登場し、壊れたミトコンドリアを狙い撃ちして除去します

 

オートファジーには常に悪いものが出ていないか見張る仕組みがあり、壊れたミトコンドリアのような危険なものが現れると即時に処分してくれる働きがあります

 

?オートファジーを妨害するウイルスも存在する

 

オートファジーは細胞内に侵入した病原体もやっつけてくれるため、免疫機能に大しても非常に重要な役割を果たしています

 

しかし、実はこのオートファジーの働きを妨害するウイルスも存在しています

 

例えばコロナウイルスはオートファジーを妨害する働きを持っています

 

重症化を防ぐことができるのでは?という期待が持てますね

 

有病率の高い日本人の健康寿命を伸ばす鍵となる『オートファジー』


日本は世界で見ても平均寿命の高い国ですが、実は有病率、つまり病気にかかっている人の割合は非常に高いのです

 

そのため、寝たきりにならずに健康に過ごせる年齢を寿命とすると70歳くらいとなります

 

その後の最後の10年間は寝たきりの状態になる人が多いです

 

そこで大切なのが『健康寿命を伸ばす』こと

 

誰しもが病気にかかって長生きするよりも、健康な状態で長生きしたいと思うでしょう

 

オートファジーを活性化することができれば『健康寿命を伸ばせるのではないか』ということもわかってきました

 

オートファジーは加齢によって低下してしまうなら、もうどうしようもないのかな……と思うかもしれませんが、そんなことはありません

 

適度な運動も必要

 

腹八分目の食事、つまり内臓休めです

 

ほかにも脂っこいものを取りすぎない食事を心がけることも大切です

 

健康寿命にはオートファジーを低下させない生活が最適?

 

年齢を重ねても健康で元気に過ごしたい人にとっては注目のキーワードになるのではないでしょうか?

 

オートファジーは細胞の部品を分解することで新陳代謝を促し、また細胞内の有害物質を除去する働きがある

 

オートファジーが低下しないと病気になるリスクを防げることがわかっている

 

加齢で低下するオートファジーを活性化していく術を、うまく活用してください

 

 

つづく……

令和4年5月7日
いずみ薬局?.*

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