2022/02/05
?第二章
【カロリー(消化エネルギー)を抑えると健康寿命がのびる】
断食は2000年以上も前から、イエスキリストや釈迦などの聖人君子が悟りを開くために行ったことで知られていますし、病気治療のための断食もアラビアやヨーロッパでかなり古くから行われてきました
1940年代から欧米の医学や栄養学の分野でも断食に関する研究や実践がなされ、断食の健康長寿に及ぼす効果が説明されています
最近も米国カリフォルニア大学バークレー校のマーク・へラースタイン博士が断食すると『体内の細胞に抗がん効果をもたらす』と発表しました
同博士は『一日おきにラットを断食させたところ、体脂肪の分裂する速度が確実に減った!細胞分裂自体が遅くなれば、がん発生の危険性を減らす』と述べています
成長ホルモンやインスリンのような『細胞の成長を促す』ホルモンは細胞の分裂を促し、がん細胞増殖のプロセスに深く関わるからだとも言われました
ちなみに、たくさん食べるとインスリンや成長ホルモンを分泌は促されます
米国ボルチモアにある国立老化研究所では、回虫から猿まで種々の動物実験をし『カロリーを抑えると長生きする』と結論付けています
摂取カロリーを60%に抑えると、寿命を最大50%伸びることが分かっています
【ちなみに、糖質制限を60%以下にすると、生体の生命現象を損なう為に寿命を十数年追った実験では危険と出ています
また、脳がエネルギーにするのは糖質であり、とれないと筋肉から糖新生をしてしまったり、ケトン体は血液を酸性にしてしまう臨時エネルギーだからですね】
お話を戻します
同研究所のマーク・マットソン博士はマウスを次の三つの群に分けて実験をしました
[A群]
好きなだけ食べさせる
[B群]
摂取カロリーを六十パーセントに抑える
[C群]
一日置きに好きなだけ食べさせて翌日は断食させる
その結果A群がもっとも病気が多く短命で
B群はA群よりずっと健康で長生きした
B群より更にC群が健康で、しかも寿命も長く、老化による脳の損傷も少なく、アルツハイマー病やパーキンソン病もなかったと
単なる『断食』ですら脳をはじめ体のあらゆる細胞の酸化による損傷を抑え、数々の病気や老化を防ぐと同博士は結論しています
スペインの養老所で1800キロカロリーの食事を与えたグループと、一日おき断食させたグループを比べてみたところ『一日おき断食』の老人たちが圧倒的に長生きした結果となったそうです
この断食(飢餓・空腹)の健康長寿に対する効能を、遺伝子レベルで証明してくれたのが、米国のマサチューセッツ工科大学生物学部のレオナルド・ギャラン教授でした
同教授は2000年、『生物が飢餓状態になると活性化し、体の細胞の老化を防ぎ寿命を伸ばす働きをするサーチ遺伝子(長寿遺伝子)』を発見
同教授は飢餓状態に置かれたショウジョウバエやミドリムシの寿命が三十から五十パーセントも伸びることを実験で確かめています
また『腹六分の食餌を与えた空腹猿』と『飲食させた猿(飽食)』を二十年間追跡調査した研究でも、後者の『飽食』猿はシワだらけの、薄い頭髪が目立ち、老化が進んでいました
一方、『空腹』猿は頭髪ふさふさでシワも少なく、CT検査で脳の萎縮もほとんどなく、青年の若さを保っていたといいます
サーチュイン遺伝子は老化や病気の元凶物質とされる活性酸素の攻撃から細胞や遺伝子を守り、若々しさを保たせ、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの病気を防いでくれると結論づけました
ただ、ここで言う断食とは水と置き換え食事を単なるカロリーと捉え、それだけを減らした断食のこと
糖質やエネルギーを利用し生命維持している部分には、体調・体質によるリスクもありベストとは言えません
カロリーを減らすではなく『消化にかかるエネルギー=生命からの支払い』を防ぐことが重要で、ただ抜くだけの危険やリスクの伴う断食ではなくありたいと考えます
そもそも断食の利点は、単にカロリー制限だけではなく臓器休めが醍醐味です
ノンリスクで安全にできれば言うことありません
同時に生命現象を与えることができれば
『健康ゼロ時点』の先にある『元気や若さ』までふやすことの可能性を高めることに
アンチエイジングとは、体内・細胞・内臓からしたいものです
寿命だけでなく、健康であるかどうかも重要となるお話でしたが、今は『腹八分目でも食べ過ぎ』と言われますよね
ですが、それはあまりにも楽しみがありません
・宿主の趣向ではなく、細胞が好む食事を取り入れて
・生命現象のあるものを選択し
・良くないものは見つけ、排泄できる血液力を身に付ける
・食べながらにして臓器休めができるような
・飢餓などもない中で安心安全に
・津波の高度は常に低くなるようなゼロか100ではない謙虚な思考
・細胞は常に入れ替わっていますからメンテナンスはコツコツが必須
毎日、時計の針は進み、何かを食しながら、環境によるストレスは簡単には変えられずに目減りしてはいるのでしょうが、決して諦めませんよう
また違う道のり、違うシナリオとなる可能性は、ご自身の思考と行動の変化により生まれます
できれば、最善でありたいですね
基盤を整えるお話をいつもさせていただきます
それがいちばん仕事量が多く、内容は濃い、つまり効率的だと考えるからです
令和4年2月5日
つづく……
いずみ?.*
では、皆さま
よい週末をお過ごしくださいませ?