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?第七章 【急増する突然死の影に忍び寄るもの……現代人の腸が危ない】

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?第七章

【急増する突然死の影に忍び寄るもの……現代人の腸が危ない】

 

日本人病死総数の中の突然死17.5パーセントと増えつつあります

 

その主な原因はそれまでは心筋梗塞、不整脈、狭心症、心不全などで占められていました

 

しかし、最近こうした原因とは明らかに異なっているタイプの突然死、スズメバチのショック症状に代表される過激なアレルギー反応『アナフィラキシーショック』による突然死が増えているといいます

 

学童の場合、過去20年間の急死のうち少なくとも12.5パーセントは『アナフィラキシーショック』によるものという報告もあるほどです

 

ある日突然に、苦しみ出して倒れ、見る間に顔や手足が赤く腫れ上がり、呼吸困難に陥ってしまい、わずか数十分後に命を落とすケースも少なくないというもの

 

心臓疾患などの原因は一切なく、ショック症状による多臓器不全という以外は何一つわからない

 

今、日本はこうした過激なアレルギー反応が増える傾向にあると言われています

 

それは氷山の一角に過ぎず、水面下ではもっと深刻に進行しつつあることを専門の研究者たちは指摘しています

 

どうやら、その根幹に現代人の食生活変遷による『腸内細菌異常』の問題が潜んでいることが次第にわかってきました

 

私たちや身近な人の中で起こりつつある問題かもしれないだけに、その対策を考えることは必須かもしれません

 

そして、今この問題は意外な方向に波紋を広げつつあります

 

 

?日本人のアレルギー体質化現象狂い始めた『生命という器』

 

日本のアレルギー体質の比率は30年前とは比較すると約倍増しており3人に1人、約4200万人は何かのアレルギーを持っていると言われています

 

もしこのままの勢いでいくと数年後にはほとんどの日本人がアレルギーになりかねない傾向を示しています

 

現代の子供は体格は良くても、体質はひ弱であることがよく指摘されますが、平均的に見ると見かけほど丈夫ではないことも明らか



アレルギー問題を検証してみると、学童の場合、悪条件が揃いすぎていることに気がつきます

 

その結果『生命の器』そのものが狂ってきているということが、近年指摘されるようになってきました

 

人に直接アレルギーを引き起こす化学伝達物質ヒスタミンはウイルスや異種タンパクなどを排除するための生理的刺激を生み出す物質なのですが、これが体の中で過剰になるとアレルギー反応として現れてきます

 

免疫調整力が不安定な現代の子供達は無害な異物に対しても過剰に反応してしまうと同時に『生命という器』が小さくなっているために、このヒスタミン量がすぐに許容量を超えてしまうと言われています

 

それがアレルギー体質の所以でもあるのです

 

実はそうしたは免疫機能の量と質が狂い始めた異常なアレルギー事情を生み出している『地下水脈』ともいえる要因が近年明らかにされてきました

 


?アレルギー悪化条件

 

・母乳で育つ子供が減り、また土にまみれて学ぶという体験が少なくなっていることも免疫機能の安定化を失う大きな要因

 

・日常的に化学物質汚染

 

・食品添加物を過剰摂取

 

・日常的に電磁波などの影響で増えたプラスイオンにさらされている

 

・ダニやカビが発生しやすい生活環境への変化

 

・運動不足やストレス、偏った肉食中心の食生活などの要因も重なっています

 

 

?腸内微生物の異常バランスの波紋

 

ひと昔前はアナフィラキシーショックによる突然死のようなケースは、非常に考えにくいものでした

 

現代の『食』と『生活』はそれだけ不安の影を落とし腸内異常を引き起こしていると言えるのかもしれません

 

腸内の悪化が進み穴あき状態(リーキーガット)となってしまうと、腸の機能性は失われ、本来なら吸収されにくいタンパク質などの接触・侵入にさらされてしまうと言われています

 

外からのタンパク質はそのまま消化されずに摂り込まれると、異種タンパク質(自己タンパク質ではない)として、免疫細胞に認識され、それがアレルゲンという引き金となって、免疫細胞から大量のヒスタミンなどの化学物質が放出されることにつながります

 

これらのアレルギー物質は外敵を攻撃・排除しようとしたり、持久戦に備えるために応援物質を運ぶ血管を拡張したりしますが、過剰になると腫れ・炎症が悪化し、正常な生理機能そのものをも押し潰す勢いを持ってしまいます

 

その結果ひどくなると、ショック症状を起こしてしまうのです

 

これがアナフィラキシーショックと呼ばれているものです

 

この体の腸内で起こっている異常事態と環境的な食品汚染・化学物質汚染などとの相乗作用によって作り出されている有様が、現代アレルギー事情の根底にある問題と言えるのです

 

 

?善玉菌優勢、悪玉菌、劣勢が良好バランスと言われている腸内微生物バランスが崩れると、宿便や腸内毒素が蓄積していき、粘膜の再生・腸微絨毛形成の妨げになり、新陳代謝機能に障害が起きて、酷い時は穴あき状態となります

 

これを『リーキーガット』と呼びます

 


?花粉症根本原因にも関与か⁉️

 

最近の研究成果から『TH2』という免疫機構上にある物質が発見され、実は花粉症が増えている原因も『腸内異常』によるところが大きくわかってきました

 

『TH2』は生体環境においての言わば普通の巡回パトカーのような物質なのですが、腸内異常が見つかると、異種タンパク進入に対して、非常警戒態勢を敷き、常に赤く点滅させながら巡回するようになってしまうと言います

 

鼻粘膜などは最も侵入しやすい場所として最優先警戒地域に指定しているところなので、そこに異種タンパクである花粉が侵入してしまうと、すぐに外敵と見なし過剰なまでに攻撃を仕掛けてしまうというわけです

 

これが花粉症メカニズムですが、花粉は本来人体の敵ではありませんし、これほどまでに警戒される対象ではありませんでした

 

現代人の小さな『生命という器』では花の生命からのこの小さな贈り物も、厄介なエイリアンに見えるのかも知れませんね

 

つづく……

令和4年2月22日

いずみ薬局?.*