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?第十五章【小腸の旅スタート】

 

?第十五章

【小腸の旅スタート】

 


?小腸にあるパイエル板

 

口から食べたものはまず食道を通り、おおかた胃でとかされ小腸に運ばれます

 

小腸では胃でとかされた食べ物をさらに細かくしながら栄養として人の体に取り込んでいきます

 

これを吸収といいます

 

そして、小腸で細かくしきれなかった食べ物のカスは大腸に運ばれさらに細かく分解されます

 

ここで栄養になるものと水分が体に吸収され残ったカスはドロドロになっていきます

 

小腸と大腸で菌は食べ物を食べて細かく分解し、おならやうんちを臭くする排泄物などを出しています

 

胃には約一万個しかいなかった菌が小腸ではもりもり増えて胃の1000倍、一兆個にもなります

 

小腸の中では胃でとかされてどろどろになった食べ物とたくさんの菌が一緒になって流れていくこの流れていきます

 

細長い菌や丸い菌、繋がった菌、色んな形の菌が流れていきます

 

菌の大きさも0.5マイクロメートルから数マイクロメートルまで大小様々

 

小腸の重要な働きである栄養の吸収が行われているところを絨毛と呼びます

 

絨毛に近づくと流れる速度は遅くなります

 

よく見ると絨毛の底からねっとりとした粘液が放出されています

 

この粘液で腸の壁には層ができています

 

実はこの粘液の層が菌が入りづらく、菌が体内の細胞と直接接触しないようにするバリアの役割があり、この粘液層がなければ体に悪い影響を与える菌も絨毛からカラダの更に奥に侵入してしまいます

 

ところが絨毛の中を進んで腸の壁に近づいていくと、バリアだったはずの粘液層に入っていく菌がいることに気がつきます

 

入っていく菌と一緒に絨毛の間を通り抜けていくと突然視界が広がり、その下にドームのような丸いものがあります

 

これがパイエル板と呼ばれて落ちてきた菌は次々とパイエル板に飲み込まれていく

 

パイエル板はカラダを健康に保つためのいわば見張り台です

 

パイエル板の中には免疫細胞という細胞が待っていて、健康を保つために病気を引き起こす菌と戦っている

 

しかしパイエル板にはたくさんの菌が集まるので時には病気を引き起こす菌の侵入口になってしまうこともある

 

例えばサルモネラ菌という怖い菌がここから侵入すると腸チフスという病気になりこの病気は高熱や腸からの出血などを起こします

 

栄養を吸収する腸は菌と人の体が戦う場所でもあります

 

 


?大腸へ

 

小腸で栄養分が吸収された食べ物は大腸へ移動すします

 

今日の多くの菌は酸素が嫌いです

 

だから小腸よりも酸素の薄い大腸は菌にとってとても居心地のいい場所だと言われています

 

大腸は体の中で最も菌の多い場所

 

大腸に入ると菌が小腸の100倍、約100兆個にもなります

 

小腸で吸収できなかった食べ物を栄養として吸収するために大腸にいるたくさんの菌が食べ細かくしていきます

 

腸の旅は終わります

 

 


【かしこい肛門】

 

腸の旅の終着駅はお尻の穴、肛門ですが、肛門は『人体第2の唇』と言われるほど敏感な組織でものすごい識別を行なっています

 

肛門から出る直前のものがうんちか、はたまたおならか、さらには普通のうんちか、それともシャバシャバの下痢かをキチッて識別し、肛門を開いたり閉じたりしている力を調整するのです

 

 


【うんちの菌でバスを走らせる……お話】

 

バスの名前はバイオバス

 

2014年イギリスのプリストル空港と古都バースを結ぶバスの燃料にバイオガスが使われ始めました

 

バイオガスは住民のうんちを生ごみを利用して発生させたメタンガスなどのガスのこと

 

菌が作り出した燃える成分を使ってバスを動かしています

 

一回の補給で走るバイオガスの量は人間五人の一年間の排出物と同じ量

 

この一回の補給で300kmほど走り続けられるそうです

 

しかも、なんと

 

これまで使われてきたディーゼル式のバスと比べて、地球温暖化の原因と言われる温室効果ガスの量を最大で30パーセントも削減できるそうです

 

 

つづく……

令和4年4月18日

いずみ?.*