2022/04/18
?第十六章
~白血球と自律神経の法則~
【白血球の日内リズム】
?顆粒球&マクロファージ 対 リンパ球
顆粒球、リンパ球、マクロファージにわけて調べると、顆粒球とマクロファージ(単球)は比率、総数ともに日中多く夜間少なくなるリズムであり
逆にリンパ球は比率、総数ともに日中少なく夜間多くなるリズムです
?リンパ球の内訳
NK細胞と胸腺外分化T細胞、これらはいずれも系統発生学的に古いタイプなリンパ球であるが、いずれも、顆粒球と同様の日内リズムパターンを示している
一方、普通のT細胞、B細胞は日中少なく、夜間多いパターンです
【白血球の年内リズム】
夏は気温が高く、気圧が低下するため、副交感神経優位になり、夜間と同じパターンになります
逆に冬は気温が低く、気圧が高くなるので、交感神経優位になり、日中の変化と同じパターンになります
夏は低気圧ゆえに生体は副交感神経優位(ゆったりの体調)にあり、逆に冬は高気圧ゆえに生体は交感神経優位(やる気満々の体調)になっていることを知っていてほしいです
顆粒球の過剰反応によって化膿性疾患が起こったり、組織障害が起こること
逆にリンパ球の過剰反応によってカタール性炎症がおこったり、アレルギー性疾患が起こることで季節の変わり目で起こる病気のメカニズムにもなっています
『常にバランスをとることが重要になります』
【運動による白血球の動き】
いずれの人でも顆粒球とリンパ球の増加が誘導されました
顆粒球の変化を持続的であるが、リンパ球の変化は一過性でした
更にリンパ球の増加は全てNK細胞や胸腺外分化T細胞などの系統発生学的に古いタイプのものに限定していました
つまりアドレナリン受容体を持つ顆粒球、NK細胞胸腺外分化T細胞への刺激が入ったのです
運動時に多量のアドレナリン、ノルアドレナリンが血中に放出されたのは確認しています
【自律神経系を刺激する他の因子】
自律神経系の変化が、白血球の変化につながることを述べました
その最初の引き金になる因子として自律神経系の日内リズム、年内リズム、運動、気圧の変化を述べました
この他の因子として
交感神経緊張を強いるものとして、精神的ストレス、重労働、長時間労働、不規則な生活、夜更かしなど短い睡眠などが挙げられます
病気と関係するものでは、細菌感染、麻酔、手術、制酸剤(胃薬)使用、痛み止めの使用、がん、飢餓があります
逆に副交感神経優位の状態をつくるとして、運動不足、肥満、間食の摂りすぎ、排気ガスにさらされるなどが挙げられます
病気と関係するものではアレルギー体質、ウイルス感染の初期、胃切除や閉経後に骨粗鬆症を起こす状態が挙げられます
新築の家で有機溶剤(接着剤の揮発)にさらされることにも加えられます
?最後に
交感神経緊張状態にあるか副交感神経優位の状態にあるかは、白血球の分画で知ることができます
昔は交感神経緊張を強いていることが多かったです
ですから、日本人は昔、顆粒球のレベルは高く、感染症も多かった為、血液の白血球の分画を熱心に調べる医者が多かったのです
感染症が減少した今日では、その習慣が失われつつあり、代わりにストレス社会に変わっているので、やはり白血球を分画を読む重要性は変わってはいません
自律神経のレベルは活動などで容易に変わりますがその総和を知るためには、つまり、交感神経緊張タイプか副交感神経優位タイプかを知るために、白血球のレベルを調べると良いと思います
交感神経緊張タイプ(ストレスの多い人)は『顆粒球人間』になっているということになります
つづく……
令和4年4月19日
いずみ?.*